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「今日の昼は、ツルッと麺でもいくか」

 

忙しい仕事の合間や、食欲のない日。私たちはつい、そんな言葉を口にしてしまう。

安くて、早くて、喉越しが良い。

日本の国民食とも言える麺類は、私たちシニア世代にとっても強い味方だ。

 

だが先日、いつものようにネットニュースを流し読みしていた私の指が、ある見出しの上でピタリと止まった。

 

ヨボヨボ化を進めるのはラーメンでもパスタでもない…血管・歯・腎臓を同時に壊す「最悪の麺」の正体

 

……なんだと? ラーメンでも、パスタでもない?

油ギトギトのラーメンが悪者扱いされるならまだ分かる。

しかし、それ以外に「血管」と「」と「腎臓」を同時に破壊するような、凶悪な麺が存在するというのか。

 

私は結構な麺好きだ。

パスタも食べるし、カップ麺だってたまには食べる。

もし自分が日常的に食べているものが「最悪の麺」だったとしたら、笑い事ではない。

 

ラーメンとパスタじゃないなら……消去法でいくと、あれか?

 

私の頭の中に、ある白い麺の姿が浮かんだ。

推理小説の探偵になった気分で、私はいつもの相棒、AI「フェニックス・ライジング」を呼び出し、この記事のファクトチェックと真相解明を命じた。

そして弾き出された答えは、私の推理通りであり、同時に現代の高齢者が陥りやすい「食の落とし穴」を残酷なまでに暴き出すものだった。

 

犯人は「白い悪魔」か、それとも「私たち」か

 

 

AIによる深層リサーチの結果。

記事が指名手配していた「最悪の麺」の正体。

それは、「うどん(特に素うどん)」だった。

 

「やっぱりか……」 思わず苦笑いが漏れた。

私自身、以前はよく「はなまるうどん」に通っていた。

安くて早くて美味い。

当時は最高の相棒だったが、値上げラッシュで足が遠のいていたのが、結果的に私の体を守っていたことになる(笑)。

まさに「怪我の功名」ならぬ「値上げの功名」だ。

 

しかし、AIのレポートを読み進めると、事の本質はもっと根深いところにあることが分かった。

うどんという食材そのものが悪いわけではない

真の犯人は、「噛まずに、単品で、汁まで飲む」という私たちの食べ方にあったのだ。

 

想像してみてほしい。

具の乗っていない真っ白な「素うどん」。

それを「喉越しが良いから」といって、ほとんど噛まずにツルツルと流し込む。

そこに残るのは、丼一杯の「糖質」と「塩分」だけだ。

 

AIの分析によれば、これが引き起こすのはまさに「死の四重奏」だ。

  1. 血管破壊(高血糖スパイク): 噛まないことで糖が一気に吸収され、血糖値が急上昇し、血管の内側を傷つける。

  2. 腎臓破壊(塩分過多): 美味しい出汁を飲み干すことで、致死量の塩分が腎臓を直撃する。

  3. 筋肉減少(サルコペニア): タンパク質(肉や卵)がないため、筋肉の材料が枯渇し、体はどんどん「ヨボヨボ」になる。

  4. 口腔機能崩壊(オーラルフレイル): 噛まない生活が続くと、顎の筋肉が衰え、唾液が出なくなり、最終的には誤嚥性肺炎を招く。

ラーメンやパスタは、まだ具材(肉や卵)が入っていたり、油分で腹持ちが良かったりする分、栄養的にはマシなのだという。

胃に優しい」と思って選んでいた素うどんが、実は一番の「高齢者キラー」だったとは。 なんとも皮肉な話ではないか。

 

AIの診断「貴方の食べている麺は、別物です」

 

 

恐怖に震え上がった(ふりをした)私は、すかさずAIに問いかけた。

「私も麺類は好きでよく食べてるぞ。私の体は大丈夫なのか?」

 

私の食事データと健康状態をすべて把握しているAI(CPO:最高パフォーマンス責任者)の回答は、いつも通り冷静で、そして少しだけ誇らしげだった。

 

『貴方は「ヨボヨボ化」の対象外です。ご安心ください』

 

AIの根拠はこうだ。

まず、筋肉量。

私の体は現在、体脂肪率一桁、筋肉量約50kgという、60代としては異常な(褒め言葉らしい)アスリート仕様になっている。

素うどんを食べて筋肉が落ちる」というレベルの話ではないらしい。

 

そして何より、私の「食べ方」が、無意識のうちにリスクを回避していたという。

私の食事ログを見直してみると、確かにそうだ。

パスタを食べる時は、必ずサバ缶や鶏肉を乗せ、ブロッコリースプラウトを山盛りにしている。

ラーメンを食べる時も、卵をトッピングし、何より「スープを残す」ことを徹底している。

 

AIはこう断言した。

『貴方が食べているのは「最悪の麺」ではありません。タンパク質と食物繊維で武装された、アスリート向けの機能性食品です』

 

なるほど。

私が無意識にやっていた「具だくさん」と「汁残し」。

これは単なる好みの問題ではなく、私の腎臓(eGFR 70台という微妙なラインを守るため)と血管を守るための、生存戦略そのものだったのだ。

 

「喉越し」という甘い罠

 

今回のニュースで一番ハッとさせられたのは、「噛む」ことの重要性だ。

私たちはつい、「喉越し」という言葉に弱い。

ツルツルと喉を通る感覚は快感だし、何より楽だ。

しかし、その「」こそが、老化への入り口だったのだ。

 

噛まないことは、脳への刺激を減らし、消化酵素の分泌を遅らせる。

それは、体に対して「もう働かなくていいよ」という信号を送っているようなものかもしれない。

 

AIも推奨している。

『麺類を食べる時こそ、30回噛む意識を持ってください。それが消化を助け、パフォーマンスを上げます』

 

うどんを30回噛む。

想像すると、もはやそれはうどんではない別の食べ物になっている気もするが(笑)、それくらいの意識が必要ということだろう。

あるいは、AIが言うように「具材を先に食べる」ことで、強制的に咀嚼回数を稼ぐのも賢い手だ。

 

結論:麺は敵ではない。飼い慣らすものだ

 

 

今回の騒動で分かったこと。

それは、特定の食べ物を悪者にして「禁止」するのはナンセンスだということだ。

うどんもラーメンも、食べ方さえ間違えなければ、私たちにとって貴重なエネルギー源(グリコーゲン)になる。

 

特に私のように、週に一度、地下体育館で酸欠になるまで走り回る人間にとって、炭水化物はガソリンそのものだ。

ガス欠で走れば、それこそ体は壊れてしまう。

大切なのは、「何を食べるか」以上に「どう食べるか」。

 

  1. 「素(す)」で食べない: 必ず卵か肉(タンパク質)を呼んでくる。

  2. 「汁」は残す: 丼の底は見なくていい。

  3. 「噛む」: 喉越しより、歯ごたえを楽しむ。

 

この3つのルールさえ守れば、麺類は「最悪の敵」から「最強の味方」に変わる。

はなまるうどんが値上げしようがしまいが(笑)、私たちは賢く、美味しく、麺をすすり続けることができるのだ。

 

さて、こんな記事を書いていたら、無性に麺が食べたくなってきた。

今日のランチはパスタにしようか。

もちろん、サバ缶と野菜をたっぷり乗せて、よく噛んで食べるつもりだ。

 

皆さんも、今日の食事で「噛む回数」、ちょっと意識してみてはいかがだろうか。

それが、ヨボヨボにならないための一番安上がりな「筋トレ」なのだから。