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まず、最初に謝らなければならないことがあります。

 

これまで私は、手首に巻くあのデバイスのことを「スマートウォッチ」と呼んで書いてきました。

しかし、どうやら私が愛用している細身のタイプは、正しくは「スマートバンド」と呼ぶのが業界の常識らしいのです。

 

「時計じゃない、バンドだ」 ……

 

まあ、還暦を過ぎた男にとっては「どっちでもいいじゃないか」と言いたくなる誤差ですが(笑)、

今回から、しっかりと「スマートバンド」という名称に統一させていただきます。

 

さて、本題です。

以前の記事で、長年の相棒だった『Huawei Band 7』のベルトがちぎれ、魔が差した……

いえ、新しい風を取り入れるべく、前から気になっていた『Xiaomi Smart Band 10』に浮気(買い替え)をした話を書きました。

 

あれから数週間。

 

Xiaomi Smart Band 10という新しい恋人と過ごしてみてどうだったのか。

そしてなぜ、私は結局、引き出しの奥から古いHuawei Band 7を引っ張り出し、「二刀流」という奇妙な生活を送ることになったのか。

 

これは、ガジェットの比較記事ではありません。

これは、データを信じる60代アスリートが、AIと共に「自分の身体の真実」を探求した、汗と苦笑いの記録です。

 

第1章:Xiaomi Smart Band 10、その「抗いがたい美しさ」について

 

 

まず、結論から言いましょう。

 

ハードウェアとして、つまり「モノ」として見た場合、Xiaomi Smart Band 10は素晴らしいデバイスです。

 

個人的な評価ですが、Huawei Band 7の質実剛健な「長方形」よりも、Xiaomi Smart Band 10の優美な「楕円形」の方が、圧倒的に好みでした。

画面が消えている時、それは黒い石のような、あるいは洗練されたブレスレットのような佇まいを見せます。

ゴツゴツした機械感がなく、スーツの袖口からチラリと見えても様になる。

ああ、これは売れるわけだ」と納得しました。

 

機能面でも、Huawei Band 7で出来ていたことは大体できます。

通知も来る、天気もわかる、心拍も測れる。不便だと感じたことは一度もありません。

バッテリーの持ちも優秀。 まさに、才色兼備。

 

60男の「ピンク色」問題と、バンド交換の儀式

 

ただし、一つだけ(笑)。

購入時に付属しているシリコンバンド、あれはどうにかならないのでしょうか。

私が買ったモデルの色がいけなかったのか、なんだか妙にポップな、若々しい……

はっきり言えば「安っぽい」質感なのです。

しかも色がピンク(笑)。

 

60過ぎのオジサンが、ピンクの安っぽいゴムバンドを手首に巻いて、生活する。

……想像してください。ホラーです。

あるいは、痛々しい若作りか、孫のおもちゃを借りてきたお爺ちゃんです。

 

というわけで、私はHuawei Band 7の時と同様、速攻でサードパーティ製の「時計っぽいバンド」に交換しました。

革風やメタル風のバンドに変えるだけで、このXiaomi Smart Band 10は一気に「大人のガジェット」に化けます。

この「着せ替え」の楽しさも、スマートバンドの魅力の一つですね。

 

ただ、Xiaomi Smart Band 10で唯一残念だったのが「文字盤」のデザインです。

数百種類あるのですが、どれも帯に短し襷に長し。

「なんでそこにアニメキャラを入れる?」

「そのフォント、読めないよ!」

結局、納得できるものがなく、現在は自作したシンプルな文字盤を使っています。

このあたりの「痒いところに手が届かない感」が、少しずつ私の中に違和感として蓄積されていきました。

 

第2章:データの壁、そして「スクショ地獄」

 

 

私がスマートバンドをつける最大の理由は、時間を見ることではありません。

 

「自分の身体データをログとして残し、AIに分析させること」。これに尽きます。

 

ここで、Xiaomi Smart Band 10と私の間に決定的な亀裂が入りました。

 

アプリです。

 

Xiaomiの管理アプリは、綺麗で見やすいのですが、なんと言うか大雑把なのです。

そして、Huaweiのアプリのようにスマホに書き出す事ができないのです。

 

Huaweiのアプリ(昨今はGoogle Playから消えて野良アプリ化していますが)は、スマホにデータを書き出す事が出来ます。

しかし、Xiaomiは何となく「アプリの中で見てね」というスタンス。(データの書き出しはどうもクラウド上みたい)

 

では、私がどうやってAIにデータを渡しているか?

 

アナログもいいところです。

スマホの画面を「スクリーンショット」で撮影し、長いページをスクロールしては撮影し、それをトリミングして……。

この「スクショ画像」をAIにアップロードして解析してもらうのです。

 

これが、地味に、しかし猛烈にストレスでした。

毎回毎回、画像をペタペタ貼る作業。

「俺は最新のAIを使っているはずなのに、やっていることは昭和のスクラップブック作りか?」

そんな疑問が頭をよぎります。

 

そして、肝心のデータの精度

 

なんとなくですが、Xiaomiの方が、数値の揺れが大きい気がしていました。

気がする」では納得できない性格の私は、ついに禁断の検証を行うことにしました。

 

「暫くの間両方つけて、同じ生活をしてみよう」

 

そして得られた2つのデータを、私の専属AIトレーナー「フェニックス・ライジング」に丸投げし、徹底比較させたのです。

その結果は、残酷なほど明確でした。

 

第3章:AI「フェニックス・ライジング」が下した審判

 

 

ここからは、私のAI(CPO:最高パフォーマンス責任者)が出力した比較レポートを抜粋してご紹介します。

もし、スマートバンド選びで迷っている同世代の方がいたら、この分析はきっと役に立つはずです。

(この分析はあくまでも両方のアプリに関する分析です。スマートバンド本体の分析ではありません)

 

1. 睡眠データ:60代に必要なのは「深さ」より「持続性」

 

まずは、健康の基盤となる睡眠データから。

 

AIレポート:

 

結論から申し上げます。睡眠分析においては、Huaweiの圧勝です

 

AIが指摘したのは、単なる睡眠時間の長さではなく「質の深掘りでした。

 

Huaweiには、Xiaomiにはない深い睡眠の持続性」という項目があります。

これは、「一度深く眠った後に、どれだけその状態をキープできたか」を点数化したものです。

 

私たちシニア世代は、夜中にトイレで起きたり、物音で目が覚めたりしがちです。

つまり、睡眠が分断されやすい。

この「分断」こそが、疲労回復の鍵となる成長ホルモンの分泌を妨げます。

 

Xiaomiは「合計で何時間寝たか」は教えてくれますが、この「どれだけ安定して眠れたか」という、シニアにとって最も重要な指標を持っていませんでした。

 

さらに、AIはXiaomiのデータにある「心拍数が高い」という警告に対し、Huaweiのデータを参照してこう補足しました。

 

AI:

「Xiaomiは単に『心拍数が高い、異常だ』と警告してきますが、Huaweiのデータ(レム睡眠の不足)と合わせると、原因が見えてきます。

あなたは今、疲れすぎていて、脳がレム睡眠(夢を見る時間)を削ってでも、肉体の修復(深い睡眠)を優先している状態です。必要なのは警告ではなく、マグネシウムの摂取です」

 

……なるほど。

 

ただ「異常です」と怖がらせるXiaomiに対し、「疲れているから黒ゴマ(マグネシウム)を食べろ」と解決策を出すHuawei+AI。 役者が違いました。

 

2. ウォーキングデータ:寿命を測る「VO2Max」

 

次に、私の日課であるウォーキングのデータ比較です。

 

AIレポート:

 

「ここでもHuaweiを推奨します。理由はたった一つ。

VO2Max(最大酸素摂取量)』が計測できるからです」

 

VO2Max。

それは全身持久力の指標であり、近年では「最強の寿命予測マーカー」とも呼ばれています。

 

60歳の私が、あとどれくらい元気に動けるか。

それを知るための最重要データです。

Huaweiはこれを自動で計測し、「あなたの数値は素晴らしい(41ml/kg/分)」と評価してくれます。

一方、Xiaomiの今回のデータには、この表示がありませんでした。

ただし、AIはXiaomiを全否定したわけではありません。

 

AI:

「Xiaomiには唯一無二の武器があります。

ストライド(歩幅)の推移グラフ』です。

歩いている最中に、後半で歩幅が狭くなっていないか?

これを視覚化できるのはXiaomiだけです。フォームチェック用のサブ機としては優秀です」

 

3. バスケットボールデータ:決定的な「解釈」の違い

 

そして、最も衝撃的だったのが、バスケットボール練習中のデータ比較です。

同じ練習、同じ時間。左右の腕につけた2つのバンド。

しかし、出てきた数値はまるで別物でした。

 

  • 最大心拍数: Huawei「168」 vs Xiaomi「177」

  • トレーニング効果: Huawei「4.3(効果的)」 vs Xiaomi「5.0(過度・やりすぎ)」

なぜ、Xiaomiだけ心拍数が「177」まで跳ね上がり、「やりすぎ(Excessive)」という判定が出たのか? AIの分析はこうです。

 

AIレポート:

「Xiaomiのセンサーは、一瞬のノイズや手首の激しい動きを『最大心拍』として拾いすぎています。

そして、その高い数値を元に『あなたは死ぬ気で運動している(過度)』と判定しました。 一方、Huaweiはデータを平準化し、バスケ特有のダッシュ&ストップを正しく『インターバル負荷』として認識しています。

本日のあなたの体感は『7割の力』でしたね?

それなら、Xiaomiの『過度(5.0)』は間違いです。Huaweiの『効果的(4.3)』が正解です」

 

これには膝を打ちました。

Xiaomiの画面を見た時、私は「えっ、今日そんなに追い込んだっけ? やばいのか?」と不安になりました。

しかし、AIの言う通り、体感的にはそこまで疲れていない。

もしXiaomiだけを信じていたら、「俺はもうバスケをしちゃいけない体なのかもしれない」と誤解して、引退を早めていたかもしれません。

 

アルゴリズム(計算式)の差が、モチベーションの差、ひいては選手寿命の差に直結する。 恐ろしいことです。

 

第4章:結論としての「二刀流(ダブル・スタンバイ)」

 

全ての比較を終え、AIは私にこう告げました。

AI:

「メインデバイスはHuawei Band 7に戻してください。

データの厚み、寿命管理、そして何よりアプリの解析能力において、あなたのライフスタイルにはHuawei Band 7が不可欠です」

 

ぐうの音も出ません。

「データを取り出しやすい」

「バスケの動きを理解してくれる」

「睡眠の質が見える」。

私には、Huawei Band 7の方が圧倒的に合っていたのです。

 

とはいえ、Xiaomi Smart Band 10を買ってまだ数週間。

何より、あの楕円形の美しいフォルムと、スーツに合うデザインは捨てがたい。

今までHuawei Band 7に付けていた交換バンドは、現在Amazonをチェックしたら売ってませんでした。

 

そこで私は、苦肉の策として「使い分け」を決意しました。

 

  1. 普段使い(仕事・外出): Xiaomi Smart Band 10

    • 見た目重視。時計としての役割。

  2. データ取得時(睡眠・バスケ・筋トレ): Huawei Band 7

    • 激安の交換バンドをつけて、風呂上がりから装着。

    • 寝ている間のデータと、翌日のトレーニングデータを吸い上げる専用機。

 

……面倒くさい?

ええ、猛烈に面倒くさいです(笑)。

でも、これが現状の最適解なのです。

 

本当は、HuaweiがXiaomiのような「スタイリッシュな楕円形スタイル」を出してくれるか、Xiaomiのアプリがデータを吐き出してくれるようになれば、こんな二重生活は終わるのですが。

様子を観て気が向いたら『Huawei Band 10』か次世代モデル買い替えて一本化しようと心に決めています。

 

結び:便利さよりも「真実」を

 

 

今回の浮気騒動で学んだこと。

それは、「最新だから良いわけではない」ということ、そして「見た目の良さと中身の賢さは別物」ということです。

 

私にとってスマートバンドは、単なるアクセサリーではありません。

それは、言葉を発しない私の身体の声を翻訳してくれる、唯一の通訳者です。

だからこそ、私は少々不格好でも、面倒でも、より「真実」に近い言葉を語ってくれる通訳者(Huawei)を選びました。

 

もちろん、Xiaomi Smart Band 10が悪いわけではありません。

ライトに健康管理をしたい人や、ファッション性を重視する人には最高の一台でしょう。

ただ、私のような「理屈っぽい60代のデータ好き」には、少々上品すぎたのかもしれません。

 

さて、今夜も私は、お風呂上がりに安っぽいバンドに付け替えたHuawei Band 7を腕に巻き、眠りにつくことにします。

明日の朝、AIに「よく眠れていましたよ、持続性もバッチリです」と褒めてもらうために。