「その女の子が入って来たんだ。彼女は震えながら泣いていた。
・・・俺は彼女を抱きしめた・・・。いい気分でね・・・。
ところが、彼女が俺を見上げて最初に言ったことは
”ポールは
どこ?”だゼ!ったく!ムカついてその女を壁に投げつけてやろうかと思ったゼ!!」
頭にきている時でさえ、エリック・カーは恥ずかしげに見える。
彼は、気取りのない少年のような男だ。'72年製のDODGE
DART車の中から叫び声をあげながら、そこら辺を走りまわっている、どこにでもいそうな少年・・・だが、そのイメージとは裏腹に、エリックは、歴史上最も崇拝されているバンドのひとつであるキッスのメンバーとして、すでに5年が経過している。
すべての人々が、その事に気付いているわけではないが・・・・
先の発言の後、インタビューアとインタビューされる側の両方に、一瞬の沈黙が流れた。
彼はしばらくボーっとしていたが、やがて笑い出した。彼は私に、クィーンズ出身の少年の、また違った姿を見せる。
−マンガ映画を見に行ったり、コピー・バンドでプレイしていた日々から進み出てキッスと共に、何度も世界中を旅するようになった男ー今、こうしていると、とてもそうは見えないのだけど・・・
1980年のことだった。キッスは未だにシアトリジャルなマンガ的姿でいた。そんな時にクィーンズ出身の少年は、ピーター・クリスの後任となった。
エリックは、キッスの曲を聴きながら育ったのでそれを憶えるのはたやすいことだった。しかし、その時の彼は、ステージ上での自分のキャラクターを開発しなくてはならなかったのだ!顔のペイントからボディ・スーツまで!ネコのメークのピーター・クリスは、確かに当たった。
だがこの時、スタッフはエリックをアヒルのような格好をさせたがっていたのだ!
少々奇妙なことだが、エリックにとってキッス加入後のヨーロッパ・ツアーで、ファンの子供達は、異常なほどの速さでエリックの名を覚え、口をそろえて「エリック・コール」を行った。
これは、多少不安な気持ちのあったポール・スタンレーとジーン・シモンズにとっては、天啓とも言うべきものだっただろう。エリック・カーはキッスにおける「メンバー・チェンジ可のパート」というテーマの、ターニング・ポイントとなった。
しかし、この快活で元気いっぱいの新ドラマーにとっては、すべては遊園地のようなものだった。
コスチュームを身につけることも「また子供時代に戻るようなもの」だったのだ。
今やキッスは、メークなしで再びトップの座についた。
ポールとジーンは以前にもまして超有名人となった。しかし、スモーク・マシンと共にバンドの後方に控えてキッス・サウンドのビートを叩き出しているのが誰なのか?
私は、今これを読んでいる君が、エリックのことを知りたいと思っていると思うんだけど・・・!?
俺はキツネの前に、デカいニワトリになるハズだった!!
――キッスに加入する前に、今のような状況を予測できた?
エリック・カー(以下E):いや、全然。俺がバンドについて知っていたことは、聞いたり読んだりしたことだけだったし、コンサートにも行ったことはなかった。
彼らがオフ・ステージでメークなしでどんな顔をしているかなんてのも、もちろん知らなかったよ。
――あなたの中で想像していたキッスと現実は、どう違っていたの?
E:口で言うのは難しいよ・・・。彼はは、ショウマンとして、素晴らしいミュージシャンとして、パフォーマーとして、そしてソングライターとして、本当にプロフェッショナルなんだ。
同様に、彼らが、どれだけ重要な人物であるかを理解していないマスコミに対しての扱い方も、プロだよ。
個人個人については、どんな人なのか全然分らなかったけど、俺にとっては幸運なことに、上手くやっていくことが出来た。会ったばかりの頃から、俺達はかなりバカらしいユーモアのセンスで共通点があったんだ。
みんなニューヨークのクイーンズで同じマンガを見て育ったんだからね。
――キッスのオーデションを受けた時はアガった?
E:それを訊かれるとヘンなんだけどさ、全然アガらなかったんだよ。
でもしばらくして、自分が受かった、ニュー・メンバーになったんだってことを雑誌なんかで読んだ時はナーヴァスになったよ。だって俺は、オーデションに行けばメークなしのキッスに会えるってことだけが重要でさ・・・
つまり、クラブでプレイしていた俺にとっては、メークなしの彼らに会えるってことは凄くエキサイティングだったから・・・
だから俺としては精一杯やるだけ。もし結果がダメでも、やるだけのことはやったって言えるためにもね。それにキッスのオーデションを受けたことは、いつまでも思い出として持っていられるハズだったから。
でも、そうはいかなかった。一緒にコンサートをやることになったからね(笑い)
――オーデションにはどれくらいのドラマーが集まったの?
E:彼らは何百ものテープを持っていたよ。
でも実際にオーデションしたのは50人か70人くらいじゃないかな。俺は、最後の3人の1人だったと思う。
俺が選ばれたのは、履歴書とテープを明るいオレンジの封筒に入れて送ったからさ。(笑)よくあるグレイや黒のヤツじゃなかったから、目立ったんでマネージメント・オフィスの女の子が取り上げてくれたんだよ(笑)
――あなたに決定しましたって言われた時はどんな気持だった?
E:もちろん凄く嬉しかったし興奮もしたよ!
でもね、そうなるまでの過程には、凄くおかしなこともあったんだ。なにしろ俺がキッスのドラマーを捜してるって知ってからメンバーになるまでたった6日間しかなかったんだから!!
そのうち3日間はテープを集めてオフィスに送ったりしていたんだ。ヘンだろ?なんか奇妙だよね。
まるで、こうなるって分ってたみたいじゃない?俺の当時のガールフレンドは、俺がオーデションに落ちるのを凄く心配してくれていた。彼女は俺に傷ついてほしくなかったんだろうね。「あまり期待しないでね」って言ってたよ。
俺は「ウルセェや」なんか言ってさ・・・。だから、まぁ、もちろんエキサイティングなことだったけど、殆ど驚かなかったナ。
――どうしてあなたを選んだのか、彼らは教えてくれた?
E:本当のところは教えてくれなかった。
まぁ、俺は彼らが望んだとおりにプレイ出来たし、バンドに合ったルックスとパーソナリティを持ってたからだろうね。
それにプラス、俺は完璧に無名だったからさ。彼らはまだメークをしていた時だったからね。だから必要条件をすべて満たしていたことになる。
それに、試験期間中は誰もが下手に出ようとするけど、俺は自分の全てを見せようと決めていたからね。
――メークするのに抵抗はなかった?
E:いや、楽しかったよ。またガキの頃に戻るみたいでさ。
プラット・フォーム・ブーツにワイルドな衣装でめかしこんでファンタジーの世界に生きるんだぜ。
衣装とブーツは見た目をよくするし、背も高く見せるー実は特にここのところが気に入ったんだけど。(笑)
だから、本当に抵抗なんてなかったよ。
みんなはメークの下の俺達はみにくいんだろうなんて思ってたみたいだけど、
最近は分ってきただろ?
――メークにはどのくらいの時間が必要だった?
E:え〜と・・・ポールとジーンは30分ほどだよ・・・俺は・・・40分くらいかな。
彼らがメークをしてくれて「こうやるんだよ」って教えてくれたんだ。
メークに関して1つだけ気に入らないことはねぇーああ神様、アレが決定しなかったことを感謝しますー。俺はバンドに入った時、自分がどんなキャラクターになるのか知らなかったんだ。
秘書から門番まで、関係者という関係者がみんなでキャラクターを考えて、いろいろいいアイデアも出たよ。
で、彼らは俺を、人に慣れることのないワルのタカにしようとしたんだ。3週間ほど鳥に見えるメークを考えた。でも、俺には出来なかったんだ。
前から見ると鳥に見えるんだけど横から見ると全然ダメ!!まだその時、俺はタカになるつもりだったんだけどね。また別のメークの仕方があるだろうし・・・。
で、彼らは大きな羽根のケープとボディ・スーツと胸の部分ー鳥の胸みたいなヤツさーからなる衣装を用意した。そのままでも十分バカみたいなんだけど、最悪なのは、それがみんな黄色にペイントして
あることなんだ!!
俺はまるでデカいニワトリみたいに見えたゼ、きっと!
まったくバカげていたけど、彼らの方が俺よりこういうことには詳しいんだから、と思って黙っていたんだ。俺がその衣装を試着した時、その場にはマネージャーとポールがいたんだけど、俺を一目見て、2人共部屋から出て行った!!
で、俺はキツネになったのさ。
キッスコンサートなんて1度も行ったことがなかった
――最初の頃、ファンがまだピーター・クリスに未練があったのは、気にならなかった?
E:別に。ピーターにも、他のメンバー同様、たくさんのファンがいることは分っていたし。
俺はいつでも、何をしていた時でも、いつもこういうアティテュードなんだよ。
つまり、俺が今、ここにいるってことは、存在するに十分な意味があるってことなのさ。自分がよくない状態なら、
ステージになんて上がらない。
俺には俺なりの存在価値があるんだ、とね。
幸運なことに、ピーターへのコールも”反エリック的事象”も。、すべて現実には起こらなかった。
確かに、しばらくの間はピーターのメークをしたキッズがオーディエンスの中にいるのを見かけたり、ピーターへのメッセージ・ボードがあったりしたけど、ブーイングされたことなんか、1度もないゼ。
反対に、俺にとって初めてのヨーロッパ。・ツアーでは、どこへ行っても「エリック・コール」が起きたんだ!!
誰も今まで俺のことなんて知らなかったのに・・・!
素晴らしかったよ!!オーストラリアでも同じことが起こったんだ。
これは俺のキャリアにとってハイライトとでも言うべきことだから、いつも話しているんだけど、メルボルンでは、4万5000人もの人が、みんな俺の名前を呼んだんだ。
しかも俺がバンドにはいってから5ヵ月しかたってないっていうのに!
彼らは俺を通して夢を描くことが出来るから、俺のことを気に入ってくれたのさ。分るだろ?
子供達はみんな、キッスに入れたらナァ・・・って思っているんだ。だから俺に思い入れてくれたんだよ。
――あなたは曲作りに関して、どのくらい関わっているの?
E:俺は、ギターとベースも弾くから、多少音楽のことは知ってるよ。
"ALL HELL'S BREAKIN'LOOSE"の作曲をしたのは俺だよ。それを、ポールとヴィニーとジーンで曲としてまとめてくれたんだ。俺の持っていたこの曲のデモ・テープとは、ずい分違った曲になってさ。
彼らがラップ・ソングみたいな曲に仕上げた時はショックだった。
でもデモのよりずっといい曲になったけどね。「ANIMALIZE」では"UNDER THE
GUN"をポールと一緒に
書いたし、"DON'T LEAVE ME LONELY"はブライアン・アダムスと共作したんだ。
もともとこれは、「CREATURES OF THE NIGHT」のために書いた曲だったんだけど、ブライアンがデモ・テープを持って行ってしまったんだ。
2週間ぐらいたってから、完全な曲にして送り返してきたんだよ。それが彼のアルバムに入るって
知った時は、もの凄く快感だったナァ。
ジーンがプロデュースしたウェンディ・O・ウィリアムスのアルバムにも"IT AIN'T NONE
OF YOUR BISINESS"っていう
曲を書いたよ。
――なぜニュー・アルバムのタイトルは「ASYLUM」になったの?
E:俺達みんなクレイジーだからさ!スタジオに入って、とにかく、めいっぱい楽しんでやろうって決めたんだ。
だから、このアルバムには"HAVING A GOODTIME"(楽しく過ごす)ってことの本当のセMスが詰まっているのさ。
とにかくおもしろおかしく、しかも猥雑って感じ。だけど、よくプロデュースされたアルバムでもある。
真にワイルドなプレイがこのアルバムには詰め込まれているんだ。
――「ASYLUM」は「ANIMALIZE」よりもセールス的に成功すると思う?
E:そうなるだろうね。実際バンドもそれなりの活動をして、セールスをバック・アップしているし。キッスにとってツアーは本当に助けとなっているんだ。
だってキッスは、人々を凄くエキサイティングさせるバンドだし、新しいファン同様、昔のファンをも取り戻すことに成功している。今や俺達は、メークやたくさんのエフェクトを使わなくても素晴らしいショウを築き上げている。
そして今でもグレイトなバンドだ。昔よりもさらに・・・ね。
人々が待ち望んでいるTTWことを考えれば、1枚のアルバムが成功した後、その次のアルバムが同じように売れるというのは、あたり前のことだゼ。
まぁ、これと同時に、新しいファンも新しいアルバムを買ってくれるだろうし、ニュー・アルバムを作って、それがいい出来だと思えば、それで十分なんだよ。
俺達は、水増ししたアルバムなんか作ってないしね!
――とすると、キッスの音楽は昔から変わっていないと・・・?
E:どんなバンドも変化してるよ。どんな人だって生まれた時から変化していくんだぜ。
俺だってバンドに入った5年前よりは、ずっといいドラマーになった。メンバーからたくさんのことを学びとった。でもそれは、時節に合わせて変化するというようなものではないんだ。
もしそうなら、俺達みんなシンセサイザーを持って、髪を切って、ハワード・ジョーンズの曲でも歌っているよ。
――最近ハワード・ジョーンズって気にいってるんだ。でも、彼みたいな格好はしたくないけど・・・・。
――あなたは、キッスに加入する前は、それほどキッスのファンでもなかったって本当なの?
E:YESともNOとも言えるよ。
熱狂的じゃなかったけど、それはバンドが気に入ってなかったって意味じゃないからね。
曲は好きだけど、コンサートには行かなかったバンドはたくさんあるよ。
俺が生まれて初めてコンサートに行ったのは1978年じゃなかったかナァ・・・。
つまり、殆どのコンサートは見逃しているのさ。
その頃は恥かしがり屋でおとなしかったからね。音楽的というより視覚的なファンだった。俺は、キッスのメンバーがキッスの一員として認識されて、ひとり1人の名前が知られているって事実が好きなんだ。
顔のないバンドじゃないんだから。まるでビートルズみたいなものさ。この言い方はよく使うんだけど、バンドとして、どのメンバーも、それぞれのファンがいて、独自の個性を持ち、平等で、スポットライトを浴びるチャンスも均等
――そんなキッスと、こうして一緒に仕事することになるって、その時、少しでも分かっていたらナァ・・・!!
――凄い話よね・・・。昔のキッスの曲を覚えるのは大変だった?
E:全然。簡単だったよ。
キッスは常に人々が学び、尊敬されるバンドなんだよ
――キッスは、初期の頃、感じたことをそのまま何でもやってきたバンドだったわね。
E:そのとおりさ!
大きなバンドはいつも伝統を打ち崩して、自分のやりたいことをやっているのさ。
確かに、音楽自体がそれを助けてくれる。
もし、音楽がどうしようもなかったら、遅かれ早かれ、そいつはダメになるよ。
何をやってようとダメさ。
人々は、何年もの間、キッスはショウの凄さ以外に何もないと、キッスを批判し続けてきた。レコードを買って針を落とし、聴く時にはショウを観ているわけではないんだから、もし音楽がクズ同然だったら、誰も聴きたがらないハズさ。
ショウの良し悪しは関係ないんだよ。だけど現実は、キッスは本当にたくさんの良質のアルバムを提供し、良質のミュージック・ショウを生み出してきた。俺達は、正しいことをやり続けてきたに違いないね。
――最近の「スピード&スラッシュ・メタル」のドラマーについてはどう思う?
E:そうだな・・・正直に言って、メタリカみたいなバンドは、あまり馴染みはないんだよ。
本当にしってると言えるのはモーターヘッドだけだ。スピードは、ドラマーの良し悪しを決める要素ではないからねぇ・・・。ジョン・ボーナムは、決して速いドラマーではなかったけれど、決して下手なドラマーとは言えない。
彼は、俺が聴いたことのあるどのドラマーよりも、多くのことを成し遂げたたんだから。
まぁ、リズムが正確に刻めて、クリエイティブで、タイトで、なおかつ速いんだったらいいじゃない?
――あなたが嫌いな音楽って何?
E:デュラン・デュランみたいなヤツ。
パワー・ステーションは好きだし、フィル・コリンやハワード・ジョーンズも好きだよ。同じような感じ
だと思うかもしれないけど、彼らに関しては、クリエイティブだったり、
人とは違っている部分があるからね。
彼らは、彼ら自身が本質であるって感じだよ。ジャズ・ロックやフュージョンなんかを聴いていた時期もあったよ。
スタンリー・クラークとかチック・コリア、それにレニー・ホワイト・・・偶然にも彼とは一緒に学校へ通っていた仲でね。
レニーと俺は、しょっちゅうケンカしてたっけ。彼は俺によく言ってたよ「オイ!ロックン・ロールなんかプレイするなよ!ありゃ最低だゼ!本当にドラムの叩き方を知りたいなら、ジャズだゼ!!」ってね。彼は凄い。
彼は、俺が本当に気に入ってるフュージョン・ドラマーの1人なんだ。彼のプレイには切れがあるし、本当にハードに叩くし、ジャズというよりロックだよ。彼はきっと、どんなロック・バンドに入っても通用するゼ。
前衛ジャズのドラマーはダメだけど。ちゃんとシャープに切り込むことが出来ないから。
――こういう生活をするには、もう年だと思ったことはない?
E:ないよ。
年をとったナァと思うのは、プレイしていない時だけさ。
ツアー中と家にいる時の生活の違いはもの凄いからね。家にいる時は、ツアーに出てる時のように十分なエクササイズも出来ないし・・・。
いつも疲れてはいても、いつもショウでハイになっていれば、じっくり休む時間なんてないし、落ち着くこともない。ホッとするのに2、3日はかかるんだ。
でも、ツアー中はそんな休みも取れないし・・・。だからさ、2、3日のアフの後のショウは、間違いなく、誰が何と言おうと
殺人的だゼ!
突然、自分を支えるものを作らなけりゃならないんだから!
何が調子よくて何がダメなのか分らなくても自分のペースを保たなければならないし。
でも、楽しいよ!!俺は去年より今年、もっとワルになるんだ。
そこら辺で動いているものすべてにしがみついてさ。まあ、とにかく、頑張るだけだよ。去年もそうだったし。
でもコンタクト・レンズしてなかったから、逃げていったのもあったけど(笑)
――「ASYLUM」のツアー用の新しいステージ・セットや仕掛けは?
E:やりたいことがあっても、構造的な理由で出来ないものが時にはある。
今回のツアーでは俺のドラム・セットは前後に動き、ドラムの台自体にもいろいろ仕掛けがあるんだ。、もちろん火もたくさん使うよ。
――あの火って、実際どのくらい危険なの?
E:不安に思った事は1度もないけどね。バンドに加入する前からあったしさ。
この前のツアーでは、ドラム・ソロの間にドラムの上に飛び乗ったんだ。
で、その両側には、15フィート(約4m57cm)の高さのたいまつがあって、俺が飛び乗ったのと同時に、爆発して2本の火柱が上がったんだ。
凄い熱さだったけど、俺はドラム・セットから落ちないようにってことが頭がいっぱいで、そんなこと考えもしなかった。爆発物と関わっていれば危険はつきものさ。
でもスタッフも凄いヤツばかりだからアクシデントが起きたことはないよ。
ジーンが火を吹いて、何度か髪がコゲたなんてのはあったけど、別にどうってことはない。
「ASYLUMツアー」は、まずポールとジーンが基本的なアイディアをデザイナーのところへ持っていった。
で、そのデザイナーが、アイディアに基づいて、実用的なものにするんだ。俺も、ドラム台に関しては、いつくかの
アイディアを出したしライティングのデザインもしたよ。
みんなでステージを作り上げるんだ。
――キッスのメンバーで、一番仲がいいのは誰?
E:いろいろ変化してるんだ。
最初、バンドに入ったばかりの頃はジーンと一番仲がよかった。よく一緒に遊びに行ったよ。
彼の名誉にかけて言うけど、ジーンは俺を助けてくれたんだ。俺のためを思ってさ。
俺の居心地をよくしようとしてくれていたんだよ。彼が俺に訊いてくれたらって今でも思うんだ。
そうしたら俺は「最高の気分だよ!!」って答えたのにって。・・。
しばらくジーンと仲良くやって、間があいて、今度はポールと親しくなったね。
――ファンはあなたに、どんな質問をしてくる?
E:まず「ポールはどこ?」って訊くゼ!!(笑)
凄くオカシイ話があるよ!俺は楽屋にいた。そこにはドアが2つある長い通路があって、そこからオーディエンスが見えるんだ。とにかく、そこで女の子が叫んだりわめいたりしているのが聞こえた。
彼女は友達と一緒でね、俺がそこへ行ってニコっなんてしたら、俺の姿が見えるたびに「エリック!!大好きーィ!!」って叫ぶんだ。
で、俺はしまいに、ガードマンに行って彼女達を中に入れさせたんだ。もう彼女達はヒステリーみたいになってたよ。その女の子は泣き崩れて震えている
・・・俺は彼女を抱きしめた・・・・いい気分でね・・・ところが俺を見上げて彼女が最初に言ったことは
「ポールはどこ?」だゼ!
ったく!!ムカついてその女を壁に投げつけてやろうかと思ったゼ!!
まぁ、それ以外の場合は、子供達によく「キッスに入るってどんな気分?」って訊かれるナ。でも、何て答えたらいいんだい?3時間もかけて説明することも出来るし、凄くイイ気分だゼ!って一言で答えることも出来るんだ。
――音楽以外に興味のあることって何?
E:そうだナァ・・・やりたいと考えているプロジェクトは2、3あるよ。
1つはドラムに関することで、キッス以外のところでやるつもりのもの。
もう1つは、俺が何年もの間あたため続けてきたマンガの主人公に関するもの。
俺はアート・スクールに行ってたんだ。最初は芸術家になりたかったから。でもハイ・スクールじゃ時間をムダ使いしただけだった。
やったことといえば、写真用の暗室で飲んだくれることだけ。そこにはマジック・ミラーがあって、先生が近付いてくるのが見えたんで、絶対につかまらなかったんだ。でも、どっちみち学校からは、放り出されたようなもんだったよ。
――キッスがロックン・ロールの歴史において、どのような位置にいるかは、みんな知っているけど、これからは、どうなっていくと思う?
E:人々が認めようと認めないと知ったことじゃないけど、キッスは常に、人々がそこから何かを学び、尊敬してくれるバンドであるんだ。
このバンドは最高の要素をすべて持っている。スーパースター・バンドを作っているものは、お互いのつながりと、インテリジェンスと、音楽的能力と、ヴォーカル能力だ。スーパー・バンドはすべてを備えている。
キッスは、
それが何で、何をやっていて、どこへ行こうとしているのか、しっかり把握しているバンドだよ。俺達のやっていることをファンが受け入れ、賞賛し続けてくれる限り、俺達は続けていくよ。
今は、バンドが解散したり上手くいかなかったりする兆しもないしね。これは、2年前には信じられなかったことだゼ。
ものごとは、素晴らしい進み方をしているし、これからも、良くなるだけさ。
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